約20年に渡って数多くの店舗様のサポートをしていく中で、
「繁盛店育成プロジェクト」と称して、地域活性化をコンセプトに
コンサルティング活動をしてきました。
今回はお店が意外と意識されていない売上の問題点について
ご紹介したいと思います。
私たちの考える繁盛店とは
「繁盛」とは“賑わい栄えること”と辞書では説明されていますが、
私たちはさらに“充分な収益があがっている”ことを必須条件としています。
すなわち「繁盛店」とは“賑わい栄えて、充分な収益を確保出来ている店舗”と
定義付けています。
そうしたコンサルティング活動の中で繁盛店には
共通している条件がいくつかあることが分かりました。
繁盛店になるための最も大事な要素
いくつかある共通点の中でも、まず特筆すべきは
「新規顧客」と「顧客(常連客)」で構成
される「売上比率」です。
あなたのお店が、遠方からも多くの人々が頻繁に足を運ぶ
ほどの繁華街やトレンドスポットにない場合、繁盛店と呼ばれるお店とそうでないお店の
「売上比率」の違いは顕著に現れます。
まずはあなたのお店の月間売上を構成する「新規顧客」と「顧客(常連客)」の
売上比率を確認してみましょう。
どれくらいの割合でしょうか。
新規顧客のほうが多いですか?
常連客のほうが多いですか?
同じくらいですか?
どちらがいいかご存知でしょうか?
私たちがサポートしてきた店舗様は、当初は「新規顧客」:「顧客」の売上比率が
「7:3」や「6:4」など明らかに「新規顧客」の比率が圧倒的な店舗が数多くいました。
開店からそんなに経っていない時期であれば、「新規顧客」の比率が高いのは当然ですが、
開店から1年以上経過している場合、「新規顧客」の比率が高い店舗は
気を付ける必要があると言えます。
新規顧客の比率が高いと危険な理由
結論から言うと「新規顧客」の売上比率が売上構成の5割以上のお店は
目指すべき本来の繁盛店と比較して、極端に利益率が低いからです。
「新規顧客」とは「見込客」に対して何らかのアプローチを実施して、初めて来店してくれ
るわけですから、あなたの経営するお店がSNSをうまく活用していて、コストをかけずに
集客できているか、偶然にもTV取材などにより全国区の有名店になるなどのことが
ない限り、アプローチするための手段(宣伝広告など)の費用がかかっています。
そして、新規集客向けの媒体は非常に高コストです。
例.
1.ホットペッパービューティー 約5万~数10万円
2.食べログ 約1万~10万円
3.ぐるなび 約1万~5万円
※新規集客はより多くの人にリーチする必要があるため高いコストの広告媒体を複数やるのが主流です
反対に「顧客(常連客)」には、それほど高いコストをかけなくても、定期的に来店して
くれるわけですから、同数の客数であれば「顧客(常連客)」のほうが利益率の高いこと
は明らかです。
にもかかわらず、殆どのお店が「新規顧客」獲得のためには高コストの媒体を使っていますが、
「顧客(常連客)」作りにはそれほど力を入れていないのが現状です。
繁盛店で共通する売上比率はどれくらい?
私たちがサポートしてきた繁盛店といえるお店の
「新規顧客:顧客(常連客)」の比率はおよそ「3:7」です。
理想を言うならば「2:8」を目指すべきであると考えています。
逆にいえば、この数値に近づかなければ利益率も上がらず
繁盛したお店にはなれないのです。